事業開発プロの新たなキャリア|2025.10.04
トヨタの新規事業の全貌とは?未来を変えるプロジェクト実例まとめ
自動車産業が「100年に一度の変革期」にある中、日本の巨大企業であるトヨタは、既存の枠組みを超えた新規事業を次々と展開しています。...
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事業開発プロの新たなキャリア
2025.06.17
部署異動して事業開発をしているけど、今後の自分のキャリアパスが見えなくて不安…
新規事業を創っていくなど、起業に近い経験ができるのは魅力的ですが、自分の強みをどう活かせるか、不安になりますよね。また、転職やこのまま会社にいて出世できるかなど、成果を出すハードルが高い事業開発だとキャリア面でも心配ですよね。見通しが曖昧なまま進むと、キャリアの軸を見失うことになりかねません。
事業開発に必要なスキルと、今後の将来性や年収の実態について紹介します。事業開発をキャリアに組み込むのは必ずご自身の大きな財産になりますので、この記事を参考に、今後のキャリア設計に役立ててください。
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それでは、本章をチェックください。
目次
事業開発とは、企業の成長を加速させるために新しい収益機会を創出する役割です。市場の変化に合わせて新規事業を立ち上げたり、既存事業の方向転換を図ったりするなど、経営の中枢に近いポジションです。
事業開発は企業全体の未来をつくる存在とも言えるでしょう。具体的にどんな業務を担うのかを見ていきます。
事業開発の主な役割のひとつが、新しいビジネスの創出です。未開拓の市場やニーズを見極め、企画から収益化までを一貫して推進します。
たとえば、大手企業内でSaaS型の新規プロダクトを開発する際は、課題の抽出→市場選定→収益モデル設計→リリースまでを1つのプロジェクトとして推進します。スタートアップであれば、0→1の推進がメインとなり、スピード感と意思決定力が求められます。
コンサルティングのようにただ企画して終わりではなく、「実行推進」もできる点が特徴です。
既存サービスや商品の成長停滞に直面した際、その方向性を再設計するのも事業開発の仕事です。
たとえば、法人向けの研修事業を行う企業が、toC向けにパーソナルコーチング事業を派生展開するようなケースがあります。このような「変化を受け入れ、形を変えていく力」が事業開発に求められています。
既存事業のポテンシャルを最大化させることも大切なミッションです。
事業開発は、マーケティング・営業・開発・カスタマーサポートなど、全社を巻き込む調整役でもあります。多くの関係者とコミュニケーションを取りながら、スピードと精度の高い推進が求められます。
たとえば、あるプロダクト改善のプロジェクトで、営業部は現場の声、開発部は技術的制限、経営は利益重視という構図の中で折衷案をまとめて推進する必要があります。
「調整屋」ではなく「推進リーダー」として動けるかどうかが、事業開発担当者の腕の見せ所です。
近年、事業開発職のニーズが急速に高まっています。一時的な流行ではなく、生成AIを筆頭に変化の激しいビジネス環境に適応するための“必然”とも言える動きです。
以下で、それぞれの理由を具体的に見ていきましょう。
多くの企業が成熟市場から脱却し、新しい成長領域を模索しています。そのために必要なのが、「成長市場で戦える新事業の創出」です。
たとえば、メーカーが「BtoB向けのSaaSソリューション事業」に参入する際は、従来の強みを活かしながら、まったく異なる収益構造を設計する能力が求められます。
こうした構造改革を担える人材が、今多くの企業で求められています。
VUCA時代(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性の時代)では、既存のビジネスモデルが急に通用しなくなることも珍しくありません。この状況に柔軟に対応できるのが事業開発のプロフェッショナルです。
たとえば、コロナ下で店舗型ビジネスがオンライン展開を余儀なくされたように、変化を捉えて理解し、実際の行動に変えられる力が、事業開発の大きな武器になります。
「正解がない状況に挑む」ことが求められる時代において、欠かせないポジションです。
従来のような“単機能人材”では、新しいことにチャレンジし続けるのは難しい時代です。営業×マーケ×企画×PMなど、複数スキルの掛け算ができる人材が事業開発の分野では価値を発揮します。
スタートアップで事業開発を担当する人は、「アイデア」「資金調達」「営業」「採用」まで関わることも少なくありません。多面的なスキルを発揮できるのが、事業開発というキャリアの魅力です。
事業開発職に求められるのは、単一スキルではなく「複数のビジネススキルの統合力」です。ここでは、特に重要視される5つのスキルを紹介します。
それぞれがどのように活かされるかを見ていきましょう。
事業開発では、状況を俯瞰しながら、勝ち筋を描く「戦略的思考」が必須です。短期の成果よりも、中長期での成果を見据えた判断が求められます。
誰に・なぜ・どのように売るかという視点を構造化する力です。頭の中に様々なフレームワークを持ち、仮説を立てられる人が求められます。
どんなに良いアイデアでも、持続可能な収益モデルを構築できなければビジネスにはなりません。そのため、適切な収益を得られるビジネスモデルを組み立てる力が事業開発には欠かせません。
たとえば、無料ユーザーから有料ユーザーへ移行させる導線設計など、「お金の流れ」まで考えた提案ができるかどうかが重要です。数字に強い人ほど、現場でも信頼されやすくなります。
どんなに良い戦略も、実行できなければ意味がありません。企画を形にするための「進行管理・人員調整・優先度整理」が求められます。
たとえば、外注先や開発チームなど様々な人物が関わるプロジェクトでは、「言った言わない」が起きず適切にタスクが進行される環境づくりが重要です。タスク管理や進捗会議の開催がスムーズにできる人が重宝されます。
事業開発では、社内外のステークホルダーとの交渉が日常的に発生します。単に要求を通すのではなく、「相手の目的を理解し、Win-Winで合意形成していく力」が求められます。
たとえば、アライアンス交渉では、「価格交渉」だけでなく「ブランド価値や将来の展開」も含めた提案が鍵となります。交渉とは、ビジネスを加速させる“仕組みづくり”でもあるのです。
プロジェクトの成功は、関係者が同じ方向を向いて動けるかどうかにかかっています。そのために必要なのが「リーダーシップ」と「チームを機能させる力」です。
たとえば、メンバーがバラバラの背景を持つ場合、「なぜこのプロジェクトをやるのか」を明確にしないと、メンバー全体の意識が合わず、業務の方向性がブレます。そうならないよう、共通の目的を示しながら、個の力を最大化するのが事業開発リーダーの役割です。
事業開発は、成果が「数値」と「結果」で可視化される職種です。その分、年収レンジや昇格スピードも比較的高くなりやすい傾向があります。
ここからは、実際にどんなキャリアパスがあるのかを、年収の目安とともに紹介します。
事業開発のキャリアは、営業やマーケティング、企画職などからの転身が多いです。20代後半〜30代前半で「0→1経験」を積むことで、一気に市場価値が上がります。
たとえば、営業出身の人が新規事業の初期提案を通して、事業部長と直接やりとりできるポジションへ昇格したケースもあります。この時点で年収は500〜700万円が一般的ですが、成果に応じて昇格することもあります。
事業開発職は、大企業内でも出世コースの一環として注目されています。特に経営に直結する部署へのステップアップが見込めます。
たとえば、30代で新規事業部門を任され、そのまま社内ベンチャー立ち上げの責任者に抜擢される例も増えています。組織内での昇格を狙うなら、数字と成果の積み上げが何より重要です。
「将来は自分で事業を持ちたい」と考えている人にとって、事業開発職はまさに登竜門です。自ら市場を読み、ビジネスを立ち上げ、収益化する経験は、そのまま独立にも活かされます。
たとえば、副業で立ち上げたサービスを、実績ベースで法人化し、シード資金を調達して起業に成功したパターンも多く見られます。失敗しても「経験」として語れるキャリアになるため、独立志向の人には最適な職種です。
事業開発職のスキルは、副業でも大いに活かせます。「アイデアを形にする力」「顧客と調整する力」「計画を実行する力」は、あらゆるビジネスに応用可能です。
キャリアに柔軟性と自由度を加えるために、副業の視点も取り入れてみましょう。
事業開発職は、以下のような副業と相性が抜群です。
たとえば、週1〜2回の稼働でBtoBサービスの導入支援や、新規プロダクトのPM補佐として参画する案件も多数あります。実務の延長で、実績を副業でも積み重ねられるのが魅力です。
成果と経験を積んだ事業開発人材は、「外部アドバイザー」「業務委託PM」として高単価での契約も可能です。
副業→業務委託→独立というステップを描きやすく、収入も安定しやすくなります。実績を活かせば、エージェント経由で高単価案件へのアクセスも可能になります。
副業や業務委託を通じて、キャリアの選択肢を増やすのも事業開発職の大きな利点です。
事業開発職は、働きながら「次の選択肢」を常に持てる人材です。「安定と挑戦を両立したい」「将来のために手を打っておきたい」と考える方には最適な働き方です。
弊社サービスNewAceでは、新規事業をメインに副業でも実施できるコンサルティング案件を多く有しています。会社員にいながらご自身のスキルを発揮されたい場合は、是非活用ください。
もちろん、事業開発のプロフェッショナルとして専業でフリーコンサルタントとして業務を行われている方もいますので、次のキャリアの選択肢としても選択いただけます。
事業開発職は、スキルを磨けば磨くほどキャリアが広がる職種です。
「変化の激しい時代に強いキャリアを築きたい」「将来は独立も考えている」という方にとって、事業開発職は非常に魅力的な選択肢です。また、今の職場に留まらず、様々なチャレンジを可能にします。スキルを武器に、事業もキャリアも自分で創っていける。それが事業開発職の強みです。
この記事を執筆した人

長尾 浩平
新規事業創出や事業戦略の専門家として、多様な業界での経験を持つコンサルタント兼起業家。 東京工業大学大学院 生命理工学研究科、および中国・清華大学大学院 化学工学科を卒業。グローバル企業において研究開発、新規事業企画、新市場参入戦略の立案、M&A支援、DXコンサルティング、営業戦略策定など、多岐にわたる業務を担当。業界を横断した豊富な経験を活かし、事業成長と競争力強化を支援する総合コンサルティングを提供。 2024年1月にVANES株式会社を創業し、企業の持続的成長を支援。変化の激しい市場環境において、戦略立案から実行支援まで一貫したアプローチで企業価値の最大化に貢献している。
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