ポストコンサルのキャリア戦略|2025.10.04
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ポストコンサルのキャリア戦略
2025.06.12
コンサルファームで勤務しているけど、このままずっとコンサルタントをしているのは想像できない…
ポストコンサルとして、どんな道があるのだろう?
コンサルタントの仕事を辞めた後のことをぼんやり考えているけど、なかなか自分に何が向いているのかわからない。そう考えている間に周囲は次々と転職や独立、でも自分はまだ決めきれずにそのまま働いている。そういうときほど次の選択肢が気になりますよね。
楽そうだから事業会社にしようなど、周囲に流されて闇雲に転職すれば、後悔する未来に進むかもしれません。ポストコンサルで後悔しないために、独立か転職か迷う人に向けて、意思決定のためのロードマップをこの記事では解説しています。
フリーコンサルという最先端の働き方にも着目していますので、参考にしてみてください。
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それでは、本章をチェックください。
目次

ポストコンサルとは、コンサルティングファームを卒業した後に選ぶキャリア全般を指します。コンサルファームで培った高いスキルや論理的思考力を武器に、他業界へとステップアップするケースは年々増えてますよね。
ポストコンサルの実態について、以下の観点から整理してみましょう。
「ポストコンサル」という言葉は、様々な企業にとって戦略思考をもった即戦力人材の象徴とも言える存在になっています。では、各トピックについて詳しく見ていきましょう。
ポストコンサルとは、コンサルタントを卒業した人の「次のキャリア」を意味し、特定の職種や業界ではなく、広く転身先を表す言葉として使われます。この言葉が注目される理由は、コンサルタントとしての経験は、他業界で高く評価される資産になるからです。
具体的には、以下のような企業で歓迎されます。
ポストコンサルとは、現役のコンサルタントにとっては単なる転職活動ではなく、「キャリア設計の再構築」を意味する大きな決断です。あなたの経験が活きるフィールドを見つけるためにも、自身の強みを明確にしましょう。
ポストコンサルという言葉が生まれた背景には、いくつかの社会的・業界的な要因があります。一つは、コンサルファームの離職率の高さです。数年で独立・転職する人が多く、次の道を選ぶ文化が根づいています。
もう一つは、人材市場の価値の変化です。横断的に業務を考えて行動できる人材が求められるようになっています。例えば、事業会社では「自社に足りない視点を持つ人」が重宝されます。
コンサル経験者は、常に構造的に物事を考える習慣があるため、変革推進に役立ちます。コンサル卒業後のキャリアはもはや「例外」ではなく、1つの「型」として確立しています。だからこそ、今はその選択肢を体系的に学ぶ価値があるのです。
現在、ポストコンサルの転職先は多様化しています。以前は「事業会社への転職」が主流でしたが、近年はスタートアップやPEファンド、フリーコンサルも人気です。この背景には、キャリアの選択肢が広がったことと、コンサル経験が広く評価されるようになったことがあります。
たとえば、スタートアップでは売上のスケールアップ戦略を描き実行できる人材が不足していますが、ポストコンサルの人材はその穴を埋める存在として期待されています。また、VCやPEファンドでは「現場の改革推進ができる人材」が重要です。
コンサル経験者は絵を描くだけでなく、変革の現場に立つことに強いため、引く手あまたです。つまり、今の転職市場では「コンサル卒業生」は業界を問わず歓迎される存在となっています。
ポストコンサルの人材は、他業種からの転職者と明確に違う強みを持っています。その最大の差は、構造化力と成果志向の高さです。これは他の業界で自然に身につくものではありません。
ポストコンサルは事業において「変化の起点」として求められる存在になります。
他職種出身者との違いを挙げると、
一方で、ポストコンサル人材にも実行力や現場の業務理解の面で弱点があります。このギャップを補えるかどうかが、次のキャリアの成功を分けるポイントです。
以上が、ポストコンサルという言葉が生まれた背景と、その定義、現状、他職種との違いです。

ポストコンサルの転身先は多岐にわたりますが、その中でも特に選ばれているのが次の5つのパスです。それぞれに特徴とメリットがあり、どの道を選ぶかでキャリアの方向性が大きく変わります。
この5つは、ポストコンサルとしての「強みを最大限に活かしやすい」道です。それぞれの選択肢を検討することで、自分にとって最適なキャリアが見えてきます。
ここからは、ひとつひとつの選択肢について詳しく掘り下げていきましょう。
フリーコンサルとは、企業に属さず、個人でコンサル案件を請け負う働き方です。ポストコンサルが目指すキャリアとして、近年急速に人気を集めています。その理由は、自由度の高さと高収益の両立が可能だからです。
たとえば、外資系戦略ファーム出身のフリーコンサルは、1社に縛られないからこそ複数の事業課題に携わり、視野を広げています。
例:メーカーの中期経営計画支援
プロとしての価値をそのまま市場に投下できる点が、フリーコンサルの大きな魅力です。一方で、営業力や自己管理能力が求められるため、適性を見極めることも重要です。
弊社NewAceでは、月150万円の案件をフリーコンサルタントの皆様に紹介しています。どんな案件があるのか気になる、という相談のみでも構いませんので、ご興味ある方は下記よりご連絡ください。

ポストコンサルの中でも、事業会社での経営戦略や事業企画ポジションは安定志向の人に人気です。その理由は、長期的な視点で事業を育てる楽しさと影響力の大きさにあります。
たとえば、外資系メーカーの日本法人で経営企画部長に転身した元コンサルは、社内の分断を解消し、組織再編を成功させました。
例:外資系メーカー経営企画部長
ポストコンサル出身者は、短期間で「任される範囲」が広がる傾向があります。また、事業会社では、コンサル時代にできなかった「実行と定着」に挑める点も魅力です。より腰を据えて事業に向き合いたい方には、非常におすすめのパスです。
ポストコンサルにとって、スタートアップやベンチャー企業は「実行を通じて事業を変えられる場」として人気です。コンサル時代の「提案だけ」に物足りなさを感じた人が、自ら意思決定し、行動する立場を求めて選ぶケースが増えています。
たとえば、シリーズAスタートアップに転職した元コンサルは、事業責任者としてマーケット拡大を成功させました。
例:ITスタートアップのCOO
また、経営陣との距離が近いため、コンサル出身者の論理性と突破力が評価されやすい環境です。スタートアップでは「成功体験」だけでなく「試行錯誤の蓄積」もキャリア価値になります。コンサル出身者にとって、自分の仮説を自ら試せる環境は非常に魅力的です。
ポストコンサルにとって、PEファンドやVC業界は「投資と経営の融合」ができる魅力的なキャリアです。この道を選ぶ人は、より経営者に近い立場で企業価値を高めたいという強い意志を持っています。
たとえば、PEファンドでマネージャーに転身した元コンサルは、投資先のPMIを主導し、数億円規模の利益改善を実現しました。
例:PEファンド マネージャー
VC業界では、スタートアップ支援の一環で「壁打ち相手」としての価値が重視されます。ポストコンサルは、抽象度の高い課題に強く、経営者が直面する意思決定の質を引き上げる存在になれます。PE/VCの世界では、戦略とファイナンスのバランス感覚が試されますが、それがやりがいでもあります。
ポストコンサルが選ぶ最終キャリアとして、独立起業やCxO就任があります。このキャリアパスは、自分の理想を形にしたい人や、経営の最前線で意思決定を担いたい人に向いています。
たとえば、AI×物流の分野で起業した元戦略系コンサルは、コンサル時代の課題意識を元にゼロから事業を立ち上げました。
例:物流TechスタートアップCEO
CxO就任はリスクもありますが、それ以上に「自由と影響力」が魅力です。一から価値を生み出し、世の中にインパクトを与えたいという思いを持つ人にとっては、最高の選択肢です。
以上が、ポストコンサルの5つの代表的なキャリアパスです。それぞれの道に違いはありますが、共通するのは「コンサルで得た力が確実に活きる」ことですね。

フリーコンサルは、ポストコンサルの中でも特に柔軟で収益性の高い選択肢として注目されています。企業に属さず、プロジェクトごとに自分で働くスタイルは、時間・収入・やりがいのバランスが取りやすいことが魅力です。
それでは、フリーコンサルのリアルについて、以下の視点から解説します。
フリーコンサルに向いている人にはいくつかの共通点があります。それは、自走力が高く、自分の力で価値を提供できる人です。
ポストコンサルの中でも、比較的コミュニケーション能力や提案力に優れた人が多く選んでいます。
例:週3稼働で月120万円のフリーコンサル
こうした働き方を実現するには、「スキルを商品化」できる力が求められます。フリーコンサルに向いているかを判断するには、「会社がなくても仕事を生み出せるか」が1つの目安です。
フリーコンサルの年収は、稼働日数とスキルによって大きく変動します。一般的には、会社員時代の年収を上回ることが多いです。
戦略ファーム出身者で経験年数が5年以上の場合、平均で月100万円以上の単価を獲得しているケースが多いです。会社員時代と比べて「税引き後の手取り」が増える点も見逃せません。ただし、稼働が不安定な時期もあるため、貯蓄・資金管理は必須です。
フリーコンサルになるには、段階的な準備と戦略的な行動が欠かせません。特に、ポストコンサルとして独立を目指すなら、自分の商品価値を明確にし、市場に届ける力が必要です。
まずは、どの領域に強みがあるかを明文化しましょう。その後、ポートフォリオや実績紹介資料を作り、継続受注を目指します。また、契約・税務・保険などの知識も身につけておくと安心です。
フリーコンサルとコンサルファーム勤務は、働き方も価値観も大きく異なります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合ったスタイルを選ぶことが重要です。
以下は、主要な違いの比較です。
| 項目 | フリーコンサル | 企業勤務 |
| 収入 | 高単価/変動あり | 固定給/賞与あり |
| 働き方 | プロジェクト単位、自由な稼働 | フルタイム、規則的 |
| キャリアの裁量 | 全て自己責任で選べる | 組織の中で調整が必要 |
| 育成・教育 | 基本的に自学自習 | 社内研修や上司の支援がある |
| 人脈形成 | 広がるが、継続には工夫が必要 | 組織内ネットワークが強固 |
例:コンサルファーム→フリーコンサルに転身
例:フリーコンサル→コンサルファームに
どちらが優れているというより、人生フェーズや価値観に応じて選ぶのがベストです。ポストコンサルにとってのフリーコンサルという選択は、起業も並列してできるなど可能性を広げる力強い道です。会社に縛られず、スキルを武器に生きる覚悟があるなら、チャレンジする価値は十分あります。

ポストコンサルとして成功する人たちは、明確な意思と実行力をもって次のステージに進んでいます。その過程には試行錯誤もありますが、結果として新たな価値を生み出し、社会的にも高い評価を得ているケースが多数あります。ここでは、実際に成果を出している4つの代表的な成功例を紹介します。
成功の背景には、コンサル時代に培ったスキルと、挑戦をやめない姿勢があります。次のキャリアで迷っている方にとって、大きなヒントになるはずです。
事業会社に転職したポストコンサルが「社内変革の推進者」として活躍する例は多くあります。特に中期経営計画の策定や、DX推進、M&A戦略において高い成果を上げています。
例:大手製造業 経営企画部長
社内の既成概念を壊し、論理と数字で説得していく姿勢が、ポストコンサルならではの価値です。
PEファンドに転職したポストコンサルが、投資先企業の経営改革を主導し、見事に利益を倍増させたケースがあります。この成功の鍵は、抽象度の高い分析力と、現場を動かす泥臭さの両立です。
例:PEファンド アソシエイト→VP
成果が数値で明確に出るため、ハードルは高いものの、達成感と報酬は圧倒的です。さらに、この実績がキャリアのブランド化につながり、他業界からのCxOオファーが届くケースも多いです。PEファンドは、コンサルタントとしての「構想力」と、「実行責任者」としての行動力を求められるフィールドです。
ポストコンサルがスタートアップに参画し、CxOとして経営中枢を担うまでに昇進する事例は急増しています。その理由は、限られたリソースの中で、構造的に物事を進められる力が評価されるからです。
例:教育系スタートアップ CPO(プロダクト責任者)
スタートアップは上下関係よりも「成果重視」の文化のため、成果さえ出せば若くして抜擢される土壌があります。大手企業では得られない成長と責任を得られる道、それがスタートアップCxOです。
ポストコンサル出身者がゼロからビジネスを立ち上げ、大きくスケールさせる成功例も増えています。成功の背景には、構造設計力と行動力、そして市場ニーズを見抜くセンスがあります。
例:B2Bマーケティング支援会社の創業者
ポストコンサルの最大の強みは、「再現性のある思考プロセス」を自分の事業に応用できることです。加えて、スタート時点での営業力・財務設計力・市場分析力が高く、立ち上がりが非常にスムーズです。起業はリスクを伴いますが、「ロジカルな準備×実行力」があればリターンは非常に大きいです。

ポストコンサルとして新しい道を選んだ人の中には、「もっと慎重に考えればよかった」と感じる人もいます。華やかな成功事例の裏には、想定外のギャップや後悔の声があることも事実です。以下では、代表的な3つの後悔パターンを紹介します。自分の将来を決めるためにも、こうした失敗パターンから学んでおくことが重要です。
コンサルからの転職後に「コンサルファームであと1〜2年経験を積めばよかった」と後悔する人は少なくありません。これは、ファーム内での昇進がもたらすブランド力と交渉力を過小評価していたことが原因です。
実例:シニアコンサルで転職したが後悔
コンサルティングファームは非常に鍛えられる環境です。そのステージをやり切ってから次に進むと、選択肢も増え、後悔のリスクが下がります。
ポストコンサルが転職後に感じる意外な後悔が、「コンサルタントの仕事って実は楽しかった」という気づきです。特に、構造的な思考・論点整理・クライアントとの高度な議論が好きだった人ほど、この後悔を抱きやすい傾向があります。
例:スタートアップに転職後のギャップ
コンサルの仕事はハードですが、知的好奇心を刺激される場面が非常に多く、自己投資としての価値が高い環境です。コンサル時代に「きついから辞めたい」と思っても、転職後にその価値に気づくことがあります。今の仕事にストレスがあるときほど、その仕事の価値や楽しさを正しく評価する目が必要です。
ポストコンサルが転職後に直面する最大のギャップの一つが、「自分の経験がまったく活かせない職場」への配属です。これは、会社のカルチャーや業務の質がコンサル出身者と噛み合わないことが原因です。
例:大手メーカーに転職したが孤立
こうした後悔を防ぐには、転職前のリサーチとカルチャーフィットの見極めが不可欠です。また、自分の強みが活かせない環境では、どんなに努力しても成果につながらないことがあります。だからこそ、ポストコンサルとしての転職は「どこでも通用するはず」という思い込みを捨て、慎重に選択すべき一大決断なのです。
ポストコンサルとして次のキャリアに進むことは、大きな自由と可能性を手に入れる一方で、慎重な判断が求められる意思決定です。本記事では、以下のポイントを整理してきました。
結論として、ポストコンサルで後悔しないためには、以下の3つの観点を押さえることが重要です。
あなたが次のステージで「自分らしく、価値を発揮し続ける」ために、最も必要なのは焦らないことです。ポストコンサルの選択肢として、フリーコンサルを選択される際は、弊社NewAceのサービスも是非ご活用ください。あなたの活躍をフルサポートさせていただきます!

この記事を執筆した人

長尾 浩平
新規事業創出や事業戦略の専門家として、多様な業界での経験を持つコンサルタント兼起業家。
東京工業大学大学院 生命理工学研究科、および中国・清華大学大学院 化学工学科を卒業。グローバル企業において研究開発、新規事業企画、新市場参入戦略の立案、M&A支援、DXコンサルティング、営業戦略策定など、多岐にわたる業務を担当。業界を横断した豊富な経験を活かし、事業成長と競争力強化を支援する総合コンサルティングを提供。
2024年1月にVANES株式会社を創業し、企業の持続的成長を支援。変化の激しい市場環境において、戦略立案から実行支援まで一貫したアプローチで企業価値の最大化に貢献している。
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