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事業開発プロの新たなキャリア
2025.05.22
新規事業のリサーチ、何をどう始めたらいいの?調べ方がよくわからない…
新規事業の案ともいえど、やみくもに探すだけでは的外れになりがちですよね。リサーチ結果がズレたり不足しているポイントがあると、ビジネスの根本が崩れるかもしれません。
そこで、今回は新規事業を進めるためのリサーチのやり方と成功の秘訣について紹介します!この記事を参考に、せっかくのアイディアを上手く形にできるよう、リサーチを進められるようにしてみてください。
この記事で分かること!
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それでは、本章をチェックください。
目次

新規事業開発で成功するためには、「リサーチ=市場調査」の質と深さが事業の成否を大きく左右します。感覚や経験だけで進めると、見落としや失敗が増える時代になりました。まずはリサーチの重要性と、なぜ失敗が起きるのかを整理します。
この2つを押さえてから、具体的なプロセスや手法に進んでいきましょう。
新規事業のリサーチは、「アイデアを現実のビジネスに変えるための土台」です。
たとえば、「自分は良いアイデアだと思っていたが、実は市場が小さかった」「顧客の声を直接聞くことで思い込みが修正できた」など、リサーチの効果を実感するケースは多いです。市場環境が激しく変化する今、「勘」や「経験値」に頼るだけでは事業の成功率は大きく下がります。正しいリサーチを行うことで、失敗の確率をぐっと下げることができます。
新規事業の約7割以上は、初期リサーチや検証不足が原因で失敗すると言われています。
たとえば、「顧客はこう思っているはず」「競合はそこまで強くないだろう」といった憶測だけで事業を進めるケース。結果として、「リリースしても誰も使わない」「価格や機能がずれている」などのミスが起きやすくなります。リサーチは「事業の安全装置」であり、「成功率を上げる最大の武器」です。

リサーチといっても、ただ情報を集めれば良いわけではありません。正しい手順とプロセスを踏むことで、成果につながる調査が可能になります。
ここでは基本の流れを、実際の現場で役立つ形で解説します。
まず大切なのは、「どの市場・どんなターゲット層を調査するのか」を具体的に決めることです。
たとえば、「20代男性・都市部・ITリテラシー高め」など、細かく絞り込むことで調査精度が上がります。「ターゲットが曖昧なまま」では、無駄な情報が増え、分析がぼやけてしまいます。最初に「誰のための事業か」を言葉にすることがリサーチの第一歩です。
調査には「何を知りたいか」を明確にすることが欠かせません。
たとえば、最初に「Aの情報が分かれば事業の判断ができる」「Bの仮説を検証したい」と具体的なゴールを決めておく。調査目的が曖昧だと、「データは集まったが意思決定できない」というミスにつながります。調査の目的やゴールをシンプルな言葉で設定し、関係者にも共有しましょう。
調査目的が定まったら、「どんな方法で情報を集めるか」を考えます。
たとえば、まずは無料の統計データや業界レポートで全体像を掴み、足りない部分をアンケートやインタビューで補完する。データの質や信頼性、最新性も必ずチェックしましょう。複数の手法を組み合わせることで、偏りや漏れを防ぐことができます。
集めた情報は「集計して終わり」ではなく、「仮説検証や事業判断に活かすこと」が重要です。
たとえば、調査結果をKPIや判断基準と照らし合わせ、「次に何をするか」を明確にします。情報を集めるだけでなく、「事業アイデアの磨き込み」に必ずつなげていきましょう。

新規事業のリサーチには、目的やフェーズに応じて最適な調査手法を使い分けることが重要です。ここでは実際の現場でよく使われる6つの調査方法を解説します。
それぞれの特長と活用のコツを見ていきましょう。
デスクトップリサーチとは、インターネットや既存資料を使って行う調査です。
たとえば、総務省や経産省などの公開データ、民間シンクタンクの市場レポートなどを活用。無料・短時間で全体像をつかむのに最適ですが、情報の信頼性や最新性の確認は必須です。
インタビューやヒアリングは、顧客や業界関係者から直接「生の声」を集める調査手法です。
たとえば、ユーザーインタビューで「どこが不便か」「何に困っているか」を丁寧に聞くことで、思い込みを修正できます。定量データだけでは見えない「本質的な課題」を掘り下げられるのが大きな強みです。
定量調査は、アンケートや既存データを用いて数値的な傾向や実態を把握する調査方法です。
たとえば、20~50代の男女1000人にWebアンケートを実施して利用率や価格感を分析。数字で裏付けることで、社内稟議や意思決定の説得材料にもなります。
競合調査は、「自社と競合の違い」を明確にし、ポジショニングや差別化戦略を立てるための調査です。
たとえば、競合サイトに会員登録してUI/UXを体験、価格や機能比較表を作成。「競合を正しく知ること」で自社サービスの独自価値を言語化しやすくなります。
SNS調査は、顧客やターゲット層のリアルな声やトレンドを分析する方法です。
たとえば、「#〇〇したい」「△△不便」などのワードで投稿を収集し、よく出る課題や希望をピックアップ。SNSは「気軽な本音」「新しいニーズ」が見つかる場として有効です。
最近はAIや自動化ツールを活用したリサーチも急増しています。
たとえば、AIエージェントで1万人分のSNS投稿を自動収集・分類し、課題やニーズを短期間で可視化。人力では難しい規模のデータ収集や分析を、短時間・低コストで実現できます。

リサーチを始める前に、事前準備と計画立案が成功のカギです。
それぞれのポイントを押さえておきましょう。
効果的なリサーチには、「いつ・誰が・どの手法で・どこまでやるか」の計画が重要です。
たとえば、「1ヶ月で10件のインタビュー+競合調査+アンケートを実施」など、具体的なアクションプランに落とし込むと進行がスムーズです。
リサーチの成果は「誰を対象にするか」次第で大きく変わります。
たとえば、「30代の都市部在住、育児中の女性」「年商10億円以下の中小企業経営者」など。調査対象が曖昧だと、得られるデータやインサイトもぼやけてしまいます。最初に「誰の課題を解決するための事業か」を明確にしましょう。
リサーチで調べたいことは山ほどありますが、「何を最優先で明らかにすべきか」を決めることが大切です。
たとえば、「必ず聞きたい質問10個+深掘り用のサブ項目」など、優先順位をつけて調査設計。「全部知りたい」と考えず、「本当に事業判断に必要な情報」に絞るのが成功のコツです。

リサーチは「計画」だけで終わらず、実施・分析・意思決定まで一貫して進めることが重要です。
それぞれのポイントを具体的に解説します。
リサーチは、目的・予算・期間・人員によって最適な実施方法を選びます。
たとえば、「まずは無料で調べ、必要に応じて追加で有料調査や専門家活用」といった段階的進行もおすすめです。
どの調査手法も「単体だけだと限界がある」ため、複数の手法を組み合わせるのが現場では一般的です。
たとえば、まずデータやレポートで市場全体をつかみ、疑問点をインタビューで深掘り、数値で裏付けたい場合はアンケート実施。手法ごとの得意・不得意を知り、バランスよく使い分けることが大切です。
複数手法を使う際は、「調査対象となるターゲット層がぶれないようにする」こともポイントです。
たとえば、インタビュー対象が20代、アンケートが40代中心だと、集めたデータの整合性が取れません。全体で「誰のための事業か」を意識して設計しましょう。
新規事業リサーチで大切なのは、「データの裏付け」と「現場のリアルな声」のバランスです。
たとえば、数字だけを追うと見落とす「小さな課題」や、現場でしか分からない「本音」も事業成功のヒントになります。データと生の声、両方を組み合わせて意思決定しましょう。

リサーチは大切ですが、「やり方を間違えると逆効果やムダが発生しやすい」のも事実です。ここでは、現場でよくある3つの注意点と対策を紹介します。
新規事業のリサーチで最も多い失敗が、「自分の思い込み」でデータを解釈してしまうことです。
たとえば、リサーチ前に「こうあるべき」と決めつけていると、新しい発見や重要な課題をスルーしてしまいます。「事実をありのまま受け取る姿勢」と「疑う目線」を持ちましょう。
集めた情報やデータの「信頼性」や「出典」も必ず確認しましょう。
たとえば、競合サービスの評判をSNSだけで判断すると、バイアスや一時的なノイズに左右されやすいです。「誰が」「いつ」「どこで」出した情報かを常にチェックし、できるだけ信頼度の高い情報をベースに意思決定しましょう。
リサーチは「どこまでやるか」の見極めが重要です。
たとえば、「まずは7割の情報が集まったら次のアクションへ進む」など、タイミングを意識。必要最低限のコスト・時間で最大の効果が出せるように設計しましょう。

リサーチのゴールは「調査結果をもとに具体的なアクションにつなげること」です。集めた情報や分析結果を、事業開発にどう活かすかが成果を左右します。
リサーチで得た「顧客の課題」「市場の特徴」「競合の動き」をもとに、事業のコアとなるコンセプトを明確化します。
たとえば、「既存サービスでは満たせていない“ここ”に特化しよう」「この価格帯・機能が実は求められている」など、リサーチ結果をそのまま事業コンセプトに活かしましょう。
調査で得た「本当の課題」「期待される機能や使い勝手」を、実際のプロダクト設計や機能追加に反映します。
たとえば、インタビューで出た「よくある使い方」「困ったシーン」を新機能やサポート設計に直結。数値データやトレンドも、開発やマーケ戦略に組み込んでいきます。
リサーチ結果をもとに、「次にどんな行動を起こすか」を具体的な計画やタスクに落とし込むことが大切です。
たとえば、「リサーチで一番ニーズが高かった機能をまず優先実装」「この市場セグメント向けにテストマーケを実施」など、具体的なアクションへと進めましょう。調査で終わりにせず、「実行」までつなげてこそリサーチの価値が最大化します。

リサーチは自社だけで完結させず、専門家や外部プロの知見を活用することで、精度とスピードを一気に高めることができます。
プロのリサーチ会社や新規事業コンサルに相談することで、自社では見落としがちな視点やノウハウが得られるのが最大のメリットです。
たとえば、ターゲット設定やアンケート設計、競合調査のフレーム選びなど、自社だけでは分からないポイントも的確にアドバイス。第三者の視点で、思い込みやバイアスを排除できる点も大きいです。
「自社でやるべきか、外部に頼るべきか」の判断ポイントをまとめます。
たとえば、「新市場でニーズを確実に掴みたい」「競合が多く、差別化ポイントを整理したい」など。専門家の助けを借りることで、事業推進が圧倒的に加速します。
新規事業・リサーチ分野で実績豊富な「NewAce」では、
資料請求や無料相談も可能なので、ぜひ「新規事業リサーチ」でお悩みの際はご活用ください。
目的や規模によって大きく異なります。小さく始めて段階的に予算を投下するのがおすすめです。
複数の専門家と組み合わせて進めることで、幅広い視点と深いインサイトが得られます。
とにかく「完璧を目指さず7割でOK」という感覚で進めることが、スピードと実行力を両立するコツです。
リサーチの価値は「集めて終わり」ではありません。「分かったことをどう事業に活かすか」「どんなアクションにつなげるか」を常に意識しながら、現場・チームで次の一歩を考えてください。
この記事を執筆した人

長尾 浩平
新規事業創出や事業戦略の専門家として、多様な業界での経験を持つコンサルタント兼起業家。
東京工業大学大学院 生命理工学研究科、および中国・清華大学大学院 化学工学科を卒業。グローバル企業において研究開発、新規事業企画、新市場参入戦略の立案、M&A支援、DXコンサルティング、営業戦略策定など、多岐にわたる業務を担当。業界を横断した豊富な経験を活かし、事業成長と競争力強化を支援する総合コンサルティングを提供。
2024年1月にVANES株式会社を創業し、企業の持続的成長を支援。変化の激しい市場環境において、戦略立案から実行支援まで一貫したアプローチで企業価値の最大化に貢献している。
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