大手企業の新規事業研究|2026.06.25
新規事業の外部人材活用|段階別の役割・契約形態・進め方を解説【2026】
新規事業は、立ち上がるかどうかも、必要なスキルが何かも、段階が進むごとに変わっていきます。そのため全部を正社員で揃えようとすると、...
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大手企業の新規事業研究
2026.06.25
採用するほどではないけれど、現役の専門知をピンポイントで借りたい。そんな場面で選択肢になるのが、副業人材の活用です。本業を別に持つプロフェッショナルに、週数時間〜数日のスポット稼働で関わってもらう。大企業の副業解禁が進み、第一線の人材を業務委託で迎えやすくなりました。経団連の調査では、副業・兼業を「認めている/認める予定」と答えた企業は70.5%にのぼります〔出典: 経団連「副業・兼業に関するアンケート調査結果」2022年〕。
成否を分けるのは、任せる業務の設計です。稼働が限られる以上、何でも丸投げはうまくいきません。限定タスクや知見提供、壁打ち相手といった切り出しやすい業務から始め、業務委託契約で進めるのが基本になります。
企業の外部人材活用に関わってきた立場から、メリットと注意点、探し方、契約と報酬、新規事業での使い方までを整理します。
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それでは、本章をチェックください。
目次
副業人材の最大の魅力は、現役で第一線にいる人材の知見をスポットで取り入れられること。採用では届かない層に、業務委託で限定的に関わってもらえます。
| メリット | 注意点 |
|---|---|
| 現役の専門知をスポットで確保 | 稼働が限定的でフルには動けない |
| 採用より低コスト・短期間 | 本業優先で連絡が遅れることも |
| 採用前のお試し的な関わりも | 情報管理・秘密保持の設計 |
| 多様な視点・人脈が入る | 任せる業務の切り出しが要る |
注意点は、稼働が限られること。フルタイムの戦力にはならないため、切り出しやすい業務を渡す設計が前提になります。たとえば「新しい販路の仮説に、業界に詳しい人の意見が欲しい」なら週1〜2時間の壁打ちで足りますが、「販路開拓そのものを回してほしい」となると本業を持つ副業人材では対応しきれません。任せたい業務が常時対応を求めるのか、スポットで完結するのか。ここを最初に見極めるだけで、ミスマッチの大半は避けられます。秘密保持や情報の扱いも、副業人材は他社にも所属しているぶん、契約段階で範囲を明文化しておきたいところです。
外部人材は副業人材だけではありません。外部人材の活用ガイドで、業務委託やフラクショナル幹部まで含めた全体の使い分けを整理しています。
NewAceがこれまで支援してきた100件超のプロジェクトでは、新規事業の立ち上げ期に副業人材を壁打ち相手や限定タスクで活用するケースが見られます。フルの戦力というより、現役の専門知をスポットで借りる使い方が中心。本格的な推進が必要な段階になると、稼働の大きい業務委託へ切り替える流れが目立ちます。
副業人材は稼働が限定的なため、業務の切り出し方で成否が分かれます。任せやすい業務と任せにくい業務があります。
| 向く業務 | 向かない業務 |
|---|---|
| 限定タスク・スポット作業 | 常時対応が要る運用業務 |
| 知見提供・壁打ち相手 | 重い意思決定・責任分担 |
| 専門領域のレビュー | 大量稼働の実行推進 |
| 採用前のお試し関与 | 緊急対応の多い業務 |
知見提供や限定タスクは副業人材に向きますが、常時対応や重い実行は稼働の大きい業務委託やフラクショナル幹部のほうが合います。判断の目安はシンプルで、「その業務が止まったとき、誰が責任を負うか」を考えるとよいでしょう。レビューや助言なら止まっても代替がきき、副業人材で問題ありません。一方、顧客対応やプロジェクトの進行管理のように止められない業務は、本業を別に持つ人に背負わせる設計に無理が出ます。実行の主体は社内か稼働の大きい外部人材に置き、副業人材はその実行を補強する役回りに徹してもらう。この線引きが、限られた稼働を機動力に変えるコツです。

プロフェッショナル人材の活用ガイドで、稼働量に応じた専門人材の選び方を整理しています。
副業人材は、副業マッチングサービスやエージェント、知人紹介で探すのが一般的。新規事業のように専門性が要る領域では、特化型のエージェントを使うと精度が上がります。
| 探し方 | 特徴 |
|---|---|
| 副業マッチングサービス | 登録者が多く幅広い |
| 特化型エージェント | 専門領域の精度が高い |
| 知人・リファラル | 信頼性が高いが範囲が狭い |
| SNS・コミュニティ | 直接つながれるが見極めが要る |
幅広く探すならマッチングサービス、専門性とスピードを両立するなら特化型エージェントが向きます。新規事業領域の副業人材は専門性の見極めが難しく、業界に詳しいエージェント経由のほうが候補に出会いやすい傾向があります。
初めて副業人材に依頼するなら、進め方はおおむね次の順になります。(1) 任せたい業務を1〜2個に絞り、スポットで完結する形に切り出す → (2) 求める専門領域と稼働時間(週○時間)を言語化する → (3) マッチングサービスかエージェントで候補に当たり、面談で進め方をすり合わせる → (4) 業務委託(準委任)契約と秘密保持契約を交わして開始する。いきなり広く任せず、小さく始めて手応えを見てから広げると、初回でも失敗しにくくなります。「副業人材は依頼の仕方がわからない」と感じる入口の段階では、業務の切り出しさえ決まれば、残りはエージェントが伴走してくれる範囲です。
副業で関わる側がどんな視点で案件を選ぶかを知っておくと、依頼の精度も上がります。新規事業の副業コンサルの始め方で、受け手側の視点も整理しています。
副業人材は現役の専門知をスポットで取り入れられる一方、稼働が限定的です。限定タスク・知見提供・壁打ちといった切り出しやすい業務から始め、業務委託契約で進めるのが基本。本格的な推進が必要になったら、稼働の大きい業務委託やフラクショナル幹部へ切り替えるのが妥当でしょう。
副業人材との契約は、指揮命令をしない業務委託(準委任)が中心。雇用に近い指揮命令や勤怠管理をすると、契約の形式ではなく実態で雇用とみなされ、偽装請負と判断されるおそれがあります。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」も、契約は形式ではなく実態に基づいて判断され、請負・業務委託の名目でも実態が雇用なら労働基準法が適用される旨を示しています〔出典: 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(平成30年策定・令和4年改定)〕。
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 契約形態 | 業務委託(準委任)が中心 |
| 報酬 | 時間単価または月額固定 |
| 時間単価の目安 | 5,000〜2万円程度 |
| 月額の目安 | 月5〜30万円程度 |
報酬は時間単価か、稼働時間に応じた月額固定が一般的。指揮命令・勤怠管理をすると雇用とみなされかねないため、成果や遂行に対して対価を払う設計にとどめます。上の単価はあくまで目安で、専門性の希少さ・成果物の重さ・稼働の安定性で上下します。たとえば一般的な作業の壁打ちなら時間単価は控えめになり、特定領域の第一人者に意思決定の判断材料を求めるなら上限側に振れます。副業人材の単価を社内で検討するときは、求める成果の難易度から逆算するのが実態に合います。なお、企業が個人に報酬を支払う場合は、源泉徴収や支払調書の要否など税務上の取り扱いも発生し得るため、自社の経理・顧問税理士に確認しておくと安全です。受け手の副業人材側も、給与以外の副業所得が年20万円を超えるなど一定の場合は確定申告が必要になります〔出典: 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」〕。
準委任で契約する場合の実務は、副業人材に限らず共通します。業務委託コンサルの契約と実務で、準委任契約の進め方と注意点を整理しています。
新規事業の立ち上げ期は、必要な専門性が次々と変わります。フルタイムで揃えにくい知見を、副業人材でスポットに補うと機動力が上がります。副業人材を外部から受け入れる企業の割合(副業受入率)は29.1%と、年々上がっています〔出典: パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」2025年〕。専門人材をスポットで迎える選択肢は、新規事業の現場でも広がりつつあると言えます。
| 場面 | 副業人材の使い方 |
|---|---|
| 構想・検証 | 専門家への壁打ち・仮説検証 |
| 立ち上げ初期 | 限定タスク・採用前のお試し関与 |
| 専門領域の補完 | レビュー・知見提供 |
新規事業では、本格稼働の前に副業人材で知見を借り、方向が定まったら稼働の大きい業務委託へ移行する流れが機能します。検証段階で固定費の重い契約を抱えると、ピボット(方針転換)したときに身動きが取りにくくなります。まずスポットで試して仮説の確からしさを見極め、確信が持ててから稼働を増やす。この順番なら、初期の不確実性を抱えたまま投資を膨らませずに済みます。段階別の外部人材の使い方は新規事業の外部人材活用で詳しく整理しています。

「副業人材の活用で大事なのは、任せる業務の切り出しです。100件超の支援で見てきた範囲では、稼働が限られる副業人材にフルの実行を期待すると、本業優先で連絡が遅れて回らなくなります。知見提供や壁打ち、限定タスクから始め、方向が定まって本格推進が要る段階で稼働の大きい業務委託へ切り替える。この使い分けができる企業ほど、副業人材を機動力に変えています。」
本業を別に持ちながら、副業として自社の業務を手伝うプロフェッショナルです。大企業の副業解禁が進み、現役で第一線にいる人材がスポットで知見を提供するケースが増えています。
採用では届かない現役の専門知を、業務委託でスポットに取り入れられること。採用より低コスト・短期間で、多様な視点や人脈も入ります。採用前のお試し的な関わりにも使えます。
限定タスク・スポット作業・知見提供・壁打ち相手・専門領域のレビューが向きます。常時対応が要る運用や重い意思決定、大量稼働の実行は、稼働の大きい業務委託やフラクショナル幹部のほうが合います。
副業マッチングサービス、特化型エージェント、知人紹介、SNS・コミュニティが中心。幅広く探すならマッチングサービス、専門性とスピードを両立するなら特化型エージェントが向きます。
指揮命令をしない業務委託(準委任)が中心。報酬は時間単価5,000〜2万円程度、または月額5〜30万円程度が目安です。勤怠管理や指揮命令をすると偽装請負と判断されかねないため、設計に注意します。
構想・検証段階は壁打ちや仮説検証、立ち上げ初期は限定タスクや採用前のお試し関与で使います。方向が定まったら稼働の大きい業務委託へ移行する流れが機動力につながります。
特定領域の知見や壁打ち相手が要る企業は、副業人材(時間単価5,000〜2万円)から始めるのが妥当な選択肢。
将来の採用候補と限定的に協働したい企業は、副業人材の業務委託でお試し的に関わってもらう使い方が向きます。
稼働の大きい推進が要る企業は、副業人材より業務委託(月30〜250万円)やフラクショナル幹部が選択肢でしょう。
この記事を執筆した人

長尾 浩平
新規事業創出や事業戦略の専門家として、多様な業界での経験を持つコンサルタント兼起業家。 東京工業大学大学院 生命理工学研究科、および中国・清華大学大学院 化学工学科を卒業。グローバル企業において研究開発、新規事業企画、新市場参入戦略の立案、M&A支援、DXコンサルティング、営業戦略策定など、多岐にわたる業務を担当。業界を横断した豊富な経験を活かし、事業成長と競争力強化を支援する総合コンサルティングを提供。 2024年1月にVANES株式会社を創業し、企業の持続的成長を支援。変化の激しい市場環境において、戦略立案から実行支援まで一貫したアプローチで企業価値の最大化に貢献している。
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