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事業開発プロの新たなキャリア
2025.06.27
ゼネラリストは転職できない?周囲からそんな声が聞こえてくるけど、今までいろんな部署を転々としてきた自分は今の会社以外ではやっていけないのだろうか…
社会人になって、色んな部署に行き色んな業務をやってきたのに、自分の強みが誰にも評価されないかもというのは、非常に不安ですよね。確かに、転職などで伝え方を失敗するとどこにも刺さらないリスクがあります。ですが、結論から言えばゼネラリストが転職や独立できないことはないので、安心してください。
ゼネラリストが次のキャリアを考えた際に、うまくいくために必要な3つの市場価値アップ方法を解説します。この記事を参考に、次のキャリアを考える際の参考にしてみてください。
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それでは、本章をチェックください。
目次

日本企業でゼネラリスト型の人材が多いのには、歴史や企業文化が大きく影響しています。転職市場で強みを活かすには、背景を理解することが第一歩です。
以下で、それぞれがゼネラリストを育んできた背景を解説します。
戦後の高度成長期以降、日本では一社に勤め続けることが美徳とされ、年齢や勤続年数に応じた昇進が主流になりました。その結果、幅広い業務を経験し、自社の全体を俯瞰して見られるような人材がどの企業でも出世するようになったのです。
企業側も、長期的に社員を育てるために、特定分野に固執せず「育成型評価」制度を重視してきました。これが、ゼネラリスト型人材が一般的になった文化的基盤の一つです。
日本企業では、新卒や中途採用者が定期的に異なる部署を経験するジョブローテーションが広く取り入れられています。この制度により、社員は人事、営業、開発、管理など、多様な経験を積むことになります。
そのプロセスによって、「何でもこなせる管理職候補」の人材が育ちやすい構造が形成されてきました。ただし、専門性よりも俯瞰力が重視される背景でもあります。
日本企業は、職位が上がるにつれて「マネジメント力」が重要視されがちです。管理職に昇進するには、専門知識よりも全体を見る視点と人をまとめる能力が高く評価されます。
この傾向は、現在の人事制度や評価指標にも反映されており、ゼネラリストの育成が組織に組み込まれています。結果として、多様な業務経験を持つ人材が昇進しやすい構造が長く続いています。

多くの業務を経験しているゼネラリストですが、転職市場では不利とされる場面もあります。なぜゼネラリストは転職で評価されにくいのか、その主な理由は以下の3つです。
それぞれの要因を具体的に見ていきましょう。
ゼネラリストは多くの経験を持っている反面、「これが専門です」と断言しにくいのが現実です。転職市場では、職種ごとの“専門スキル”が重視される傾向があり、職務経歴が幅広すぎると評価が難しくなることがあります。
たとえば、営業・企画・人事を経験していても、企業側からは「何が得意なのか曖昧」と見なされやすいのです。結果として、専門職と比較されると、即戦力感に欠ける印象を与えてしまいます。
ゼネラリストの仕事は、多くが“調整”や“進行管理”といった間接的な成果に関わるものです。このため、成果を数値や具体的な実績として言語化しにくい傾向があります。
たとえば、部門間の調整によってプロジェクトがうまく進んだとしても、その成果が自分の評価として残りにくいという問題があります。これが、自分の強みを転職活動でうまく伝えられない原因のひとつになります。
転職市場では、「採用したその日から結果を出せる人材」が求められる傾向があります。ゼネラリストは、幅広い知見を持つ分“専門分野での実務経験”が浅く見えることがあります。
たとえば、デジタルマーケティングを少しかじった経験では、専門職として採用されるには不十分と見なされてしまいます。結果的に、スペシャリストに比べて選考の初期段階で落とされやすくなるのです。

転職市場で評価されにくいゼネラリストが、これからの時代に価値を高めるためのキーワードが「T型人材」です。広さと深さの両立ができるT型人材は、企業にとっても汎用性と即戦力を兼ね備えた貴重な存在になります。
この3つの観点から、ゼネラリストが進化すべき方向を解説します。
T型人材とは、横棒が「幅広い業務知識」、縦棒が「深い専門性」を表す人材像です。つまり、ゼネラリストの強みに1つ専門性を加えたハイブリッド型の人材のことを指します。たとえば、広報やマーケティング、営業支援などの幅広い経験を持ちながら、SEOや広告運用に関しては高度な知識を持つ人などが該当します。
このようなT型構造を意識することで、汎用性を保ちつつも“尖った強み”を持てるのが特徴です。
ゼネラリストがT型になるためには、まず「自分の経験の中から深掘りできる領域」を見つけることが重要です。そのうえで、特定領域の知識・実務経験・実績を意識的に積み上げる必要があります。たとえば、過去に携わったプロジェクトでデータ分析に関心を持ったのであれば、そこに特化して資格取得や副業を通じてスキルを深めると良いでしょう。
最初から高レベルを目指すのではなく、習得と実務を往復しながら「自分の得意分野」を育てていくことがカギです。
横のスキルとは、調整力、構造理解力、全体設計力などの“ゼネラリストらしさ”です。これを、選んだ専門分野にどう組み合わせるかが価値を決めます。たとえば、エンジニアリングの知識と、営業経験を持つゼネラリストは「技術とビジネスをつなげる」提案型人材になれます。
自分の横の経験を「どんな文脈で活かせるのか」を具体的に言語化できると、転職時にも説得力ある自己PRになります。
Π(パイ)型人材とは、T型人材が進化したタイプで、「広い知識」と「2つ以上の専門スキル」を持っている人のことです。「Π」という文字が、Tより縦線が1本多いことから、この名前がついています。このような人は、2つの専門分野をしっかり学んでいて、それぞれを組み合わせて新しいアイデアや価値を生み出す力を持っています。
T型やΠ型に共通するのは、ただ幅広い知識があるだけでなく、しっかり努力して専門スキルを身につけていることです。自分の得意分野を深めながら、他の専門分野のスキルも身につけることで、企業から選ばれやすくなります。

ゼネラリストだからといって転職が難しいわけではありません。むしろ、戦略的に行動することで、T型人材としての魅力を明確に打ち出すことができます。
この3つの行動を軸に、転職成功につなげるための考え方を整理します。
まずは、転職市場における「自分の立ち位置」を正確に把握することから始めましょう。自分の経験・スキル・実績が、どの業界・職種でどれだけ通用するのかを分析することが大切です。そのためには、転職エージェントとの面談や、職務経歴書の添削、求人票との比較などを通じて「何が足りないか」「どこが強みか」を客観的に把握しましょう。
この工程を経ることで、自分が進むべき専門分野や、補うべきスキルが明確になります。
ゼネラリストからT型人材へ進化するには、「ここだけは強い」と言える分野を持つことが必要です。1つの専門性があることで、応募ポジションとの親和性を説明しやすくなり、選考通過率が高まります。
重要なのは、既存のキャリアの中で自然に培ってきたものを深掘りすることです。ゼロからではなく「すでに持っているスキル」を軸に、学び直しや副業で実績をつけることで、確かな専門性を築くことができます。
転職時に「何ができる人なのか」を伝えるには、経験を“成果ベース”で語れることが非常に重要です。たとえば「営業支援をしていた」ではなく、「営業部署の提案精度を上げ、受注率を15%向上させた」など、数値や成果物での証明が信頼を生みます。
日常業務で「この活動は成果にどうつながったか?」を常に意識して記録し、実績として蓄積することが、転職成功への近道になります。

転職だけがキャリアの選択肢ではありません。ゼネラリストの知見と調整力を武器に、「フリーコンサル」として新しい道を切り開く人が増えています。
企業内で培った横断的な経験とマネジメント力は、複雑な課題を抱えるクライアントにとって大きな価値です。現場と経営をつなぐ「多機能型コンサル」が現在非常に重宝されています。
フリーコンサルは、1つの専門領域に特化する必要はありません。むしろ、営業×人事×戦略など、複数分野の知見を組み合わせられるゼネラリスト的コンサルタントが求められる場面も多くあります。
特定の業界知識やプロジェクト推進経験を持つゼネラリストであれば、週1〜2日の稼働から始めることも可能です。
ゼネラリストが独立してフリーコンサルになるには、最初の案件獲得と支援環境がカギです。NewAceは、新規事業を中心に、ゼネラリストなど様々な方に合った案件を紹介するサービスです。
あなたの業務経歴と得意領域をもとに、どのような企業ニーズにマッチするかを一緒に棚卸しさせていただきます。「自分は専門性がない」と思い込まずに、一度、あなたの経験を“価値に変える”サポートをさせてください。
キャリアに行き詰まりを感じたゼネラリストこそ、新しい働き方で活躍の場を広げられる可能性があります。相談からでも構いませんので、無料登録から面談しましょう。

確かにゼネラリストは専門職に比べて評価が難しい場面もありますが、自分の強みを再定義し、T型人材としての価値を示すことで転職成功は十分に可能です。
今ある経験を“点”で語るのではなく、“つながった線”として伝えることが大切です。そのため、「専門性のなさ」で悩むのではなく、「複数領域の融合」による新しい強みを育てましょう。
迷ったときは、NewAceのような専門サポートを活用することで、自分のキャリアを客観視するヒントも得られます。未来の選択肢は、いつも“次の一歩”から始まります。
この記事を執筆した人

長尾 浩平
新規事業創出や事業戦略の専門家として、多様な業界での経験を持つコンサルタント兼起業家。 東京工業大学大学院 生命理工学研究科、および中国・清華大学大学院 化学工学科を卒業。グローバル企業において研究開発、新規事業企画、新市場参入戦略の立案、M&A支援、DXコンサルティング、営業戦略策定など、多岐にわたる業務を担当。業界を横断した豊富な経験を活かし、事業成長と競争力強化を支援する総合コンサルティングを提供。 2024年1月にVANES株式会社を創業し、企業の持続的成長を支援。変化の激しい市場環境において、戦略立案から実行支援まで一貫したアプローチで企業価値の最大化に貢献している。
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