副業・兼業|2026.06.28
週末副業の現実|土日のみで成立するコンサル副業の単価と案件タイプ【2026】
平日夜は本業の疲れで稼働が続かない。だから副業は土日に集中させたい。そう考える方に、週末副業は向いています。ただ、時間帯が限られる...
Magazine
副業・兼業
2026.06.28
「社外取締役の話が来たが、自社を経営しながら引き受けてよいのか」。独立コンサルやスタートアップ経営者から、こうした相談を案件支援の現場で受けてきました。
経営者の副業は、会社員の副業と同じ発想で臨むと判断を誤ります。自社経営という重い本業があるぶん、時間・法的責任・競合回避という3つの制約のなかで設計する必要があるからです。
その制約を満たせるのは、社外取締役・経営顧問・技術顧問・投資先支援といったアドバイザリー型に絞られてきます。選ぶ起点は報酬の高さではなく、自社経営と両立できるか、法的に安全か。会社法やコーポレートガバナンス・コードの一次ソースを踏まえて見ていきます。
弊社サービスNewAceは、あなたのチャレンジを応援するコンサルタントの方向けのプラットフォームです。
案件のご紹介のほか、様々な相談も承っておりますので、是非下記よりご登録ください。

それでは、本章をチェックください。
目次
経営者の副業、とりわけ社外取締役の需要は、近年高い水準にあります。東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」(2021年改訂)は、プライム市場上場会社に対し、独立社外取締役を少なくとも3分の1(必要な場合は過半数)選任すべきと定めています。2026年5月時点でプライム市場の上場会社は約1,570社あり、各社が複数名の独立社外取締役を必要とするため、経営経験者への需要は当面続くと考えられます。経済産業省も2020年7月に「社外取締役の在り方に関する実務指針」を策定し、社外取締役の最重要任務を経営の監督と整理しています。
ただし、需要があるからといって、経営者が自由に副業を選べるわけではありません。経営者の副業には、会社員の副業にはない3つの制約があります。
ひとつめは時間です。経営者は自社経営に最も重い責任を負っており、副業に充てられる時間は会社員以上に限られます。ふたつめは法的責任です。経営者自身が自社の取締役である以上、他社の役員を兼ねることには会社法上の手続きが伴います。みっつめは競合回避です。自社の事業と競合する企業に関与することは、競業避止の観点から許されません。この3つが、経営者の副業の選択肢を大きく絞り込みます。
3つの制約を満たせる副業は、限られます。短い稼働時間で成立し、法的責任を整理した形で関与でき、自社と競合しない。この条件を満たすのが、社外取締役・経営顧問・技術顧問・投資先支援といったアドバイザリー型です。経営者の副業がアドバイザリー型に集中するのは、それが「割がいい」からではなく、これらの制約を満たせる合理的な選択肢がそこに限られるからです。
経営者の副業は、時間・法的責任・競合回避の3つの制約のなかで設計します。この制約を満たせるのがアドバイザリー型(社外取締役・経営顧問・技術顧問・投資先支援)です。選定の起点は報酬の高さではなく、自社経営との両立と法的安全です。

経営者が選びうる副業の4タイプを、関与の重さの順に見ていきます。
社外取締役・社外監査役は、月1〜2回の取締役会と関連準備で関わる形です。経営者の本業経験を最も直接的に活かせますが、会社法上の取締役と同じ法的責任を負い、取締役会への出席義務もあります。4タイプのなかで最も「重い」関与です。
経営顧問・戦略アドバイザリーは、月1〜2回のミーティングと軽量な資料作成で関わる形です。取締役会への出席義務はなく、法的責任は社外取締役より限定的です。技術顧問・スタートアップアドバイザーは、スタートアップに長期で関わり助言する形で、現金報酬に加えてストックオプションが付与される案件もあります。投資先支援は、自己の投資先やエンジェル投資ネットワークを通じて関わる形で、副業というより投資活動の延長に位置づけられます。
経営者は、自社経営との両立を考えて、どの「重さ」まで引き受けられるかを判断します。法的責任を伴う社外取締役を引き受けるのか、責任の限定的な経営顧問にとどめるのか。これは自社経営に割ける時間と覚悟しだいです。

経営者副業の報酬を考えるうえで、額面の大きさと同じくらい、受け取り方が効いてきます。
まず報酬水準の目安です。社外取締役の報酬は企業規模で幅があります。デロイト トーマツと三井住友信託銀行による「役員報酬サーベイ(2025年度版)」では、売上1兆円以上の企業の社外取締役報酬総額の中央値は1,518万円とされています。市場区分別には、プライム市場でおおむね年600万〜1,000万円、スタンダード市場で年400万〜700万円、グロース市場で年300万円前後とする推計もあります(コンサル系メディアによる推計値)。報酬構造は、上場企業の社外取締役と経営顧問は現金報酬が中心、技術顧問・スタートアップは現金報酬にストックオプションが加わる、投資先支援は投資収益とストックオプションが中心、という違いがあります。
そして経営者ならではの論点が、「個人で受け取るか、自社法人で受け取るか」です。個人で受け取れば所得税の累進課税の対象になり、自社法人で受け取れば法人税の対象になります。中小法人には所得800万円以下の部分に軽減税率15%が適用されます(適用期限は2027年3月末まで。所得10億円超の法人は17%)。法人代表者は、副業報酬を自社法人で受け取り、役員報酬や配当との組み合わせで最適化を図るケースが多く見られます。会社員にはないこの選択肢が、経営者副業の税務設計の鍵です。具体的な設計は税理士に相談することをお勧めします。確定申告と税の基本はフリーコンサルの確定申告のやり方|青色65万円控除・経費・期限の実務、法人化の判断はフリーコンサルの法人化|最適なタイミングと単価への影響を現場視点で解説で扱っています。
経営者副業で、報酬以上に慎重さが求められるのが法務です。
取締役が自社の事業の部類に属する取引を行う場合、会社法第356条が競業避止義務を定めています。取締役会設置会社では、第356条と第365条により、その取引について取締役会の承認が必要になります。経営者が他社の社外取締役や顧問に就任する際、それが自社の事業と関わりうるなら、自社の定款・取締役会規定を確認し、必要に応じて取締役会の承認を得ることが法的に安全です。手続きを踏まずに就任して後から問題化すると、自社の経営者としての立場そのものが揺らぎます。
また、社外取締役として就任する側では、会社法上の取締役として善管注意義務・忠実義務を負い、株主代表訴訟のリスクもあります。就任前に、その企業の役員賠償責任保険(D&O保険)の有無と補償範囲を必ず確認します。経営者の副業は、報酬の検討より先に、この法務の確認を済ませる順序が正しい進め方です。
記事の判断軸を踏まえて、自分の経験に合う案件レンジを実データで知りたい人は、NewAceの無料面談で月単価120〜300万円帯の案件情報を確認できる。
制約と報酬・法務の整理ができたら、次は実際にどう案件を見つけるかです。経営者副業の案件は、その多くが個人ネットワークを通じて発生します。元同僚・元クライアント・取引先からの直接の依頼、経営者交流会や業界カンファレンスでの出会い、LinkedIn経由のアプローチが主な経路です。社外取締役は信頼と実績をもとに招かれるポジションであり、不特定多数の応募で決まるものではないため、ネットワークの質がそのまま機会につながります。
始め方としては、まず自社経営に割ける時間から逆算して引き受けられる関与の重さを決め、次に競合しない領域を見極め、そのうえで人的ネットワークと専門サービスの双方から案件を探す、という順序が安全です。近年は、社外取締役や顧問のマッチングを専門に扱うサービスや、スタートアップ向けの技術顧問マッチングのプラットフォームも、獲得経路の一つになっています。フリーコンサルを対象としたNewAceの実態調査(2026年)でも、案件獲得経路としてエージェント・マッチングサービスを挙げた人は44.6%にのぼり、ネットワークと並ぶ入口になっていることがうかがえます〔出典: NewAce調べ(NewAceフリーコンサル実態調査2026, n=130)〕。マッチングサービスの選び方はコンサル副業マッチングサービス比較|主要プラットフォーム選定軸で整理しています。ただし経営者副業の基本は、これまで築いてきた人的ネットワークにあると考えてよいでしょう。
NewAceがマッチングするフリーコンサル案件は月単価120〜300万円帯です。100件超のフリーコンサル独立支援に関わってきた経験では、独立コンサルやスタートアップ経営者の副業は、自社経営との時間配分管理・競合回避・情報管理を徹底できているかが、長く続けられるかどうかを分けています。NewAceの実態調査(2026年)では、独立後に収入が増えたと答えた人は83.1%でした〔出典: NewAce調べ(NewAceフリーコンサル実態調査2026, n=130)〕。経営者の副業もまた、本業の経験を活かして収入源を広げる選択肢になり得ます。
第1章で挙げた3つの制約は、副業を始めたあとも、守り続けるべき注意点になります。
自社の事業と直接競合する企業の社外取締役や顧問への就任は避けます。判断が微妙な場合は、自社の取締役会で利益相反の可能性を開示し、判断を仰ぎます。経営者が競合に関与しているという疑念は、自社の信用にも関わります。
副業先で得た情報を自社経営に流用すること、自社の情報を副業先に持ち込むことは、いずれも厳禁です。経営者は両社の機密に触れる立場にあるため、情報の混在は重大な問題に直結します。
経営者副業の最大のリスクは、自社経営への影響です。社外取締役や顧問は法的責任を伴い、取締役会への出席義務もあります。自社経営に必要な時間を圧迫しない範囲に収めることが欠かせません。社外取締役の兼任は1〜2社にとどめるのが現実的で、3社以上になると時間管理が破綻しやすくなります。

NewAceは新規事業領域に特化したフリーコンサル案件の紹介を行っており、独立コンサルやスタートアップ経営者からの副業相談にも対応しています。戦略アドバイザリーや経営顧問の案件提案、自社事業との競合回避の調整、経営者ネットワーク経由の案件紹介まで支援できます。
専門スキルを活かす副業の考え方はプロフェッショナル副業|専門スキルを単価を引き上げる戦略、取締役・執行役員クラスの副業は役員の副業|取締役・執行役員が選ぶ社外取締役と顧問案件で扱っています。相談はNewAceの無料相談からお寄せください。
A. 設計の前提が違います。会社員の副業は収入増を主目的にできますが、経営者の副業は自社経営という重い本業があるため、時間・法的責任・競合回避という3つの制約のなかで設計します。この制約を満たせる副業は、社外取締役・経営顧問・技術顧問・投資先支援といったアドバイザリー型に絞られます。
A. 1〜2社が妥当です。社外取締役は法的責任を伴い、取締役会への出席義務もあります。自社経営の時間配分と利益相反の回避を考えると、3社以上の兼任は時間管理が難しくなります。
A. 自社の事業の部類に属する取引にあたる場合、会社法第356条が競業避止義務を定め、取締役会設置会社では第356条・第365条により取締役会の承認が必要になります。自社の定款・取締役会規定を確認し、必要に応じて承認を得ることが法的に安全です。
A. 企業規模で幅があります。役員報酬サーベイ(2025年度版)では売上1兆円以上の企業の社外取締役報酬総額の中央値が1,518万円とされ、市場区分別にはプライムで年600万〜1,000万円程度とする推計もあります。
A. 個人で受け取ると所得税の累進課税の対象になりますが、自社法人で受け取れば法人税の対象になり、中小法人の軽減税率(所得800万円以下15%)が使えます。役員報酬や配当との組み合わせで税負担を最適化でき、これは会社員にはない経営者ならではの選択肢です。
A. 必要になるのが原則です。給与以外の所得(事業所得・雑所得など)が年20万円を超える場合は確定申告が求められます(国税庁)。報酬を自社法人で受け取る場合は法人の決算・申告に含めます。区分の判断や経費計上の範囲は個別性が高いため、税理士に確認するのが安全です。実務の基本はフリーコンサルの確定申告のやり方|青色65万円控除・経費・期限の実務で整理しています。
A. 通常は社外取締役を受け入れる企業が負担します。社外取締役は会社法上の取締役として善管注意義務・忠実義務を負い、株主代表訴訟のリスクもあるため、就任前にD&O保険の有無と補償範囲を必ず確認します。
経営者の副業は、会社員の副業の延長ではなく、自社経営という本業を持つ前提で設計するものです。読者の状況別に、推奨アクションを整理します。
これから副業を考える経営者は、報酬の高さから入らないでください。出発点は、時間・法的責任・競合回避の3つの制約です。自社経営にどれだけ時間を割けるか、どこまでの法的責任を引き受けられるか、自社と競合しない領域はどこか。これを先に固めれば、選ぶべきアドバイザリー型のタイプが見えてきます。
社外取締役などの就任の打診を受けている経営者は、報酬の検討より先に法務を確認してください。自社の取締役会の承認が必要かを定款・取締役会規定で確かめ、就任先のD&O保険の有無と補償範囲を確認する。この順序を守ることが、経営者としての立場を守ります。
すでに社外取締役や顧問を務めている経営者は、競合回避・情報管理・時間配分の3点を守り続けてください。兼任は1〜2社にとどめ、報酬の受け取り方は自社法人での受託も含めて税理士と設計する。経営者副業は、制約を守り続けることで、自社経営と両立しながら長く続けられます。
新規事業領域のフリーコンサル案件をお探しの方は、NewAceの無料相談で月単価120〜300万円帯の案件をご紹介しています。
この記事を執筆した人

長尾 浩平
新規事業創出や事業戦略の専門家として、多様な業界での経験を持つコンサルタント兼起業家。 東京工業大学大学院 生命理工学研究科、および中国・清華大学大学院 化学工学科を卒業。グローバル企業において研究開発、新規事業企画、新市場参入戦略の立案、M&A支援、DXコンサルティング、営業戦略策定など、多岐にわたる業務を担当。業界を横断した豊富な経験を活かし、事業成長と競争力強化を支援する総合コンサルティングを提供。 2024年1月にVANES株式会社を創業し、企業の持続的成長を支援。変化の激しい市場環境において、戦略立案から実行支援まで一貫したアプローチで企業価値の最大化に貢献している。
人気記事
副業・兼業|2026.06.28
平日夜は本業の疲れで稼働が続かない。だから副業は土日に集中させたい。そう考える方に、週末副業は向いています。ただ、時間帯が限られる...
副業・兼業|2026.06.28
経営経験を、本業を抱えたまま社外で活かせないか。社外取締役の打診を受けて、報酬や稼働の見当がつかず迷っている方もいるでしょう。 経...
副業・兼業|2026.06.27
「自分の年齢・役職で何が成立するのか」「自社にバレずにできるのか」「時間が取れない中で月いくらになるのか」。部長・課長クラスからは...
カテゴリー